塔牌の3つのこだわり…続き
熟成
後発酵まで終わった紹興酒は熟成の過程に移ります。
圧搾、ろ過、加熱殺菌をして24ℓの甕に入れ替え、
蓮の葉、油紙、竹の皮で封をし、土で塗り固めて厳重に覆われて熟成させます。
11月に仕込を始めたものは発酵を終えるまで90日かかるので、
翌年の2月に熟成が始まることになり、翌々年2月に酒齢が1年になります。
果物、チョコレート、アーモンド、蜂蜜、バニラなどに例えられる
お酒の様々な香りは、全てこの熟成の過程で生まれたものです。
加飯酒は通常3年以上熟成させており、塔牌で作っているのは5年熟成以上がスタンダード。
東天紅でお取り扱いしている紹興酒は5年、10年、15年の3種類です。
この熟成期間の中で、アルコールの刺激もまろやかになり、
荒々しさのある新酒からバランスの良い古酒へ変化。
雑味が減り、洗練された味わいになります。
貯蔵庫まで運ばれます
石膏を使った封に変えてから輸入されます。
東天紅の紹興酒は中国で瓶詰めされ、輸入されています。
美味しさは細部に宿る
塔牌では一冬醸造・全量甕仕込み・全量甕貯蔵にこだわっていると先にお伝えいたしましたが、
この大きなこだわりだけでは美味しいものは作れません。
酒造りだけではなく器具の洗浄にも鑒湖の水を使うことや、
甕で熟成させる際に貯蔵庫内で場所を入れ替えることなど、
一見見過ごされそうなこだわりこそが美味しさを生みます。
奇しくも、東天紅も肉まん・あんまんの発酵で、
およそ大量生産に向かない「場所を入れ替える」という手間をかけて
均一に発酵させていたのと同じで驚きました。
素材にこだわること、手間を厭わないこと、待つ時間が美味しさを生み出すこと、
熟練の技…美味しさに向き合う姿勢は皆同じです。
紹興酒を召し上がる際に、季節の移り変わりに沿い、
哲学をもって紹興酒を作り続ける醸造師の情熱を感じていただければ嬉しいです。
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