豚肉の柔らか煮の作り方 続き
さて、やっと「煮」の工程に入ります。
調味料は醤油、紹興酒、氷砂糖などです。
氷砂糖を使う理由は、砂糖よりスッキリした甘さだからとのこと。
ご家庭でもお塩にこだわる方は多いと思いますが、
氷砂糖を料理用にお持ちの方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。
プロはお砂糖の種類にもこだわります。
2時間煮込みお肉を引き上げますが、レセピーにはこの時のお肉の引き上げ方まで書いてあります。
せっかく残した皮が剥がれない為のテクニックです。
煮上がったお肉にここで匠の一手間を。
調理の間に反り返ってしまうお肉もあるので、
美しく見せるために、重しをして冷蔵庫に入れ、一晩寝かせ成形します。
一晩寝かせたら、まず1切れずつスライス。
美しくご提供する為には、きちんと冷ましてから先に切り、それから最後の調理工程に入るのです。
最後の調理工程は蒸しです。
これは肉にさらに味をしみ込ませる工程で、
煮汁と一緒に1人前ずつ蒸し器に入れて温めます。
温まったらお肉を盛り付け。
そしてその煮汁でタレを作ります。
今回は撮影用に青梗菜の油通しを添え物として用意してもらいました。
これで「豚肉の柔らか煮」が完成です。
これまで、料理長からレクチャーを受け、作り方を文字としては把握していましたが、
実際に全ての工程をカメラに収めてみると、「これは大変なことだぞ!?」と改めて思うレシピでした。
今回の「匠の饗宴セット」という名にふさわしい料理だと思っています。
実は東天紅のレストランでは現在「豚肉の柔らか煮」をご提供していません。
昨年春のおうちで東天紅の季節限定商品にも入っておりました
「白玉の金木犀風味」や「白身魚(かさご)の甘酢ソース」も同様です。
美味しいかどうかということにかけては、全て「太鼓判の味」ですが
時流によりレストランでの提供を終了した商品もあります。
でもどの商品も東天紅が作り上げ、60年以上大切に守り続けてきた伝統の味。
メニューに無くなったら終わりではなく、
これらのレセピーも、受け継ぐべき東天紅の財産だと思っています。
いつかもう一度レストランでご提供する日の為に、
商品知識と商品に対する姿勢を継承したいという思いも込めて、このブログを書いています。
レストランではお召し上がりいただけない懐かしのメニュー、豚肉の柔らか煮。
お客様にもこの緻密な調理工程が作り出す「匠の味」を気に入っていただけますように!
この豚肉の柔らか煮が食べられるセットはこちら⇒【限定150セット】匠の饗宴セット